都庁弁当
午前5時30分起床。浅草はくもり。この日は都庁に私用があって出掛けていた。あたしは都庁と云うところに始めて入ったが、やっぱり役所なのである。だいたい入る時から申請が必要なのだ。あたしは「昼食」とだけ記して用紙を渡したが何のおとがめもなかった。そうか、昼食だけでも都庁を使って良いんだ、とその時初めて分かった(笑)。
あたしはさっさと用事を済ませると、折角なので職員食堂で食事をすることにした。目指すは第1本庁舎32階、西洋フードという店だ。時刻は12時一寸前。うん、この時間ならまだ席はあると、出来はじめた行列の端っこに並び、一番目立つ「都庁弁当」の食券を買ったのだ。それも自動販売機ではなく、その場でおじさんが売っていたものをだ。
「都庁弁当」は③である。つまり③の窓口でもらう。あたしは珍しく何の躊躇も無いなままに「都庁弁当」をもらったのだ。あたしの前のおじさんは辛子のチューブを逆さにしても「辛子がでない」、と怒っていたが、あたしは薄く笑うだけでその場を離れた。空いている席を探して中程の席へ座る。時刻は12時だ、そろそろ職員食堂のあたりも混雑になってきていた。
「都庁弁当」といっても何の変哲もない弁当だった。なにか東京都の名産でも入っているわけでもない。あたしは珍しく味ご飯を半分ほど食べてそして、残りも全部食べた。別にうまくはないが結構腹ごたえのある弁当だった。
時刻は12時を過ぎ、職員食堂のあたりは大混雑だ。席は埋まり、それでも座れない人達が席を探している。成る程、都庁で働くというのは、昼飯の時間が一番厳しいのだな、と思う(ホントか)。もっともこれで全員弁当持参だったら、営業が成り立たないい職員食堂があるだけだから、丁度良いのだろう、と思いながら都庁を後にしたのだった。
西洋フード
東京都新宿区西新宿2丁目8-1 東京都庁第1本庁舎32F