マルカンデパートの6月閉店を伝える記事(村上さん提供) マルカンデパートの6月閉店を伝える記事(村上さん提供)
マルカンデパートの6月閉店を伝える記事(村上さん提供)


あーマルカンデパートが6月に閉店だなんて

午前5時55分起床。浅草はくもり。昨日、岩手の村上さんと下河原さんから連絡があった。村上さん曰く、「残念なお知らせですが、花巻のマルカンデパートが6月に閉店するそうです。老朽化や耐震の問題が理由です」とのメッセージ。あーなんてことだ、とあたしは仕事の手を止めた。そしてやって来た下河原さんからのメールはこれだ。

マルカンデパート花巻市上町のマルカン百貨店(佐々木一社長)は、建物の老朽化を理由に6月に閉店する。1973年に現在地に店舗を構え40年余。耐震診断で不適応と指摘され、補修や建て替えは困難と判断した。高さ約25センチのソフトクリームなどが人気だった展望大食堂も閉鎖する。中心市街地の空洞化など地域経済への影響が懸念される。

営業最終日は6月7日。同社は2011年2月に地下1階の食品売り場を閉鎖し、地上8階のうち6フロアで衣料品、日用品などを販売している。同社によると百貨店の経営状態は問題なく、ビルの老朽化が閉店の主要因としている。

昨年夏の耐震診断の結果を受け対応を検討。▽老朽化で部品調達を含め施設補修が困難▽改修費が数億円規模、建て替えはさらに多額の費用が必要▽不特定多数の人が訪れる中で安全性を確保できない―との理由から存続困難と判断した。

昭和の懐かしい雰囲気が漂い、大盛況だった6階の大食堂の移転などは現時点で考えていないという。食堂を含め従業員約90人は大半がパート社員で、対応は今後検討。同社グループが市内で経営するアルテマルカン桜台店などは継続する。

【写真=6月に閉店するマルカン百貨店。6階の展望大食堂は花巻を象徴する存在だった=花巻市上町】
from http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160307_1

あたしは、ほぼ1年に1回はマルカンデパートに通っていたが、それはなんてことはないのだが、実は、なんてことはあるわけで、つまり大食堂へのノスタルジーへの憧れに他ならなかった。

このデパートの大食堂は、何処でも見掛けたものなのだが、いまじゃここだけになってしまっていたのだ。

この大食堂の広いフロアー階の何処でもいい、一人座ってオーダーしたものを箸で遊びながら、なぜかこのホールだけ別物のように忙しいスタッフの動きを見ていると、あー、と都合よくイメージが再構成される(あたしの)過去があるからなのだ。

過去がある、と云うことは、あたしが今いることの証のようなものなのだが、その証が地上から消える。期日は今年の6月7日。それまでになんとかまた行ければよいな、と思うのだが、あたしの、2007年6月30日のことばが丸9年後に現実になってしまったようだ。

マルカンデパートの建物は、昨年よりも一層郷愁というか哀愁を帯びてきてしまっていて、この建物自体がダメになったら、もう食堂をを維持することもできないだろうな、と思うとなにか悲しい。そしてこの場所が狂おしい程愛おしく思える。

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