岩泉まつたけをスキヤキで食べる岩泉まつたけをスキヤキで食べる


岩泉まつたけ

午前6時10分起床。浅草は雨。なんと松茸をいただいたのだ。松茸があたしの家の食卓に上るのは十年ぶりぐらいのことだが、久しぶりにやってきた客人を前に心は躍るのである。こんな素敵な贈り物を贈ってくれたのは向井田さんである。ありがとう!

産地証明書届いた松茸は「岩泉まつたけ」と云う。つまり、岩手県岩泉町の産である。なんと「岩泉まつたけ事業協同組合」発行の「産地証明書」付きなのである。

曰く、「この松茸は、岩手県下閉伊郡岩泉町を中心とする北上高地で採油された松茸であることを証明します」なのであるが、まだ、先日の台風10号による水害の被害も記憶に新しい岩泉町から送られてきた松茸なのだ。

しかし、松茸が届けば、あたしはようしゃなく「スキヤキ」で食べる。なにせ松茸は「すき焼き」が一番うまいと信じて疑わない人(あたしのことだ)なのである。

うちの「すき焼き」は、浅草で云うところの牛鍋であり、割り下でぐつぐつと牛肉とザクを煮る。ただ最初だけは、牛脂をひいて、ねぎを焼き、それから肉にさっと火を通してから少量の割り下で少し煮るのである。

それをたまごで食べるのだが、それが一番うまい。抜群である。つまり最初が一番うまいのだが、この鍋奉行、最初だけはあたしがやるのである。

ただそれをずっと遣り通そうとすると、毎回鍋を掃除しなくてはならず、大変な労力となるので、最初だけそうしてあとはぐつぐつと煮る牛鍋にしている。

しかし、今回の主役はずばり「岩泉まつたけ」なのだ。牛肉などには目もくれず松茸に全神経をくれてやる。そして半煮えぐらいの状態で松茸をほおばると、口いっぱいにあの香りが充満するのだ。いやこれは何度やってもこたえられないのだな。

岩泉まつたけ