佐藤雄一氏と植村君と植村君の自転車佐藤雄一氏と植村君と植村君の自転車


自転車で走ることと地域づくりと地域振興の関係性

午前5時10分起床。浅草は晴れ。コンセプト株式会社 代表取締役 佐藤雄一氏の講演も楽しいものだった。「Local to Local」と呼ぶ彼のビジネスモデルは、ある意味「東京」を外したところから出発している。あたし流にいえば「ロングテール(8:2の法則)」のコア外しである。それはそれでとても魅力的に見えるが、彼が云う通り、最初から大勝は狙わないのだし狙いようもないのである。いわば主流の「マーケットソリューション」からは外れたところで商売をしている隙間ビジネスのようなものだ、とあたしには映った。

そして、それは「ないもの」を売ればいいじゃないか、ということでおさまるのだが、それはなにも新しいものではなく、商売上では鉄則である。「東京」にいればほとんどのものが手に入る。「東京」とはとそんな処だろうが、この個人商店のようなやり方は相手方にないものを売るのである。だから東京は相手にしない。例えば柿である。北海道にはないが遠州(静岡)はにちゃんとある。だから売ればよい。北海道からは代わりに乳製品を持ってくる。これを「互産互消」というらしい。

彼の場合、そのキーワードに持って来たのが「自転車」なのだ。それも10㎏を切る軽さのロードレーサーと呼ばれるものだ。あたしは大学が終わってから5年間ほどロードレーサーに乗っていたからわかるが、なにが楽しいって、それは風を感じる楽しさだ。そして、すべての感覚、所謂五感がビンビンに働くことだろう。

今は自転車がブームらしく、皆さん自転車に乗っている(らしい)。遠州(静岡)の人たちが(自転車を乗りに)北海道に行ったり、北海道の人たちが走れない冬の間に静岡に行ったりするだけでも「Local to Local」のビジネスモデルなのだ。その感覚で、掛川でキウイフルーツが取れれば豊頃の雪質で熟成させる。お茶がとれれば北海道で売ればよいのだし、空知のワインも遠州(静岡)で売ればよいのだ(まだ売れるほど出来上がってないのだが)。まったく単純だが、今の時代だからこそ可能なビジネスモデルである。

帰りに静岡産のお土産のお茶をもらった。このお茶がペットボトルでつくるお茶(抹茶のティーバック)なのだ。かつて戸塚建設さん(掛川の会社さんだ)から聞いたことがあるが、抹茶は本当によく飲むらしい。一方、ものすごくお茶を消費する我が家でも、その消費の対象はペットボトルなのだ。ただ、ペットボトルといっても「お~い、お茶 濃い味」なのだ。このお茶は掛川産だと昔聞いたことがあるが、Localのビズネスに役立ってはいるのかな、と思うが、「互産互消」にはなっていないのだ。まったく抜け目なくビジネスを展開する佐藤社長に「商売人」の称号を与えたいと思う。

そらちシーニックバイウェイの可能性

先に書いた池田卓矢氏と佐藤雄一氏の話はとても面白かったが、これをシーニックバイウェイという官製のシステムに結びつるにはどうすればよいのだろう。ということで、シーニックバイウェイ支援センターの原所長との鼎談があったが、これは時間が足りず深入りできなかったようだ。

そらちシーニックバイウェイの可能性