『大阪的 』大阪的 (コーヒーと一冊) 江弘毅 、 津村記久子(箸)
ミシマ社 (2017年3月16日)


大阪的

午前4時45分起床。浅草はくもり。『大阪的』を初めて読んだ時、偉い難しい本だなと思った。これは津村記久子さんという大阪の作家さんと、おなじみの江弘毅による、書きおろしエッセイと対談を纏めた(本来は)軽い本である。軽い本というのは、本自体も「コーヒータイムに」、と云うように軽いし、当然に内容も軽いはずなのである。しかし、大阪を語る本は何時でも難しい。あたしは大阪人ではないし、大阪に興味もないので大阪のことは何を云われても難しい(想像ができない)。

だからこの本は大阪の方がコーヒータイムに読む本なのか、と思うのだが、何故その大阪の本を浅草に住むあたしに送ってくれたかを考えるようにしてみる。しかし、そんなことを考えるだけ無駄なのだ。この本は、ずばり「津村記久子」を知るためにある。だいたい小説など殆ど読まないあたしが、「津村記久子」という記号を Chrom の窓に入れてみる。ずらっと並ぶ彼女の名前。これだけであたらしい世界が始まるのだ。まったく便利なものだ。

津村記久子 - Wikipediaを見れば、おー芥川賞を貰っているような偉い人なんだな、と思うが、そんな人が書いた文章では「エンブレム」が別格の面白さで光っている。サッカーファンでもないあたしでさえ面白いのだ。「ザスパクサツ群馬」のエンブレムが好きだ、と云うので早速インターネットで調べてみる。ワオ!これは確かに凄い。こんなエンブレムが刺繍されたブレザーが欲しいと本気で思う。さらに読むと「カマタマーレ讃岐」のエンブレムも素晴らしいとある。今度は「カマタマーレ讃岐のエンブレム」と入力してみる。いやいや、これもやらかしているのだ。うどんとサッカーボールと化した玉子の黄身が描かれている。

更には「水戸ホーリーホック」である。これなど思わず「控えあろう」なのだ。おーこんな大袈裟なエンブレムがアあるんだと思う。この『大阪的』という本は当然に大阪の本である。そして『大阪的』とは大阪に住んでいなくてはわからないもにかも知れない。しかしこんな楽しいエンブレムのはなしを、あたしの脳味噌にインプットしてくれる人が「津村記久子」という人なんだ(誤った認識かもしれないが)と教えてくれる本でもあるのだ。このはなしだけで一本書けるよな、と思うが、それは既に『大阪的』をゆうに越えているのかもしれない(たぶん、て全然『大阪的』の紹介になってないな、江、御免よ)。

GUN_l SANU_l MITO_l

ザスパクサツ群馬     カマタマーレ讃岐     水戸ホーリーホック