『シン・ゴジラ』 Blu-ray2枚組
午前4時20分起床。浅草はくもり。昨年映画館でみた唯一の映画である『シン・ゴジラ』のBlu-ray2枚組を買って見た。もう一度見たいか、という問に「見たくはない」と答えたあたしが、また『シン・ゴジラ』を見てしまったのである。『シン・ゴジラ』は虚構なのだと分かっている。虚構を幾ら見ようとも現実(福島第一原発事故)は変わらないことも知っている。でも『シン・ゴジラ』をまた見たいと思ったのである。
あたしの家のTVは、37インチの古臭いまったく普通のTVなのだが、『シン・ゴジラ』はなんとなく狭苦しく動いているし、思ったよりも『シン・ゴジラ』は動きが鈍いことがわかる。劇中のハイライトに、「ゴジラ」が川を遡るシーンがある。やはりあれは誰が見てもゴジラの川上りではなく津波である。津波から逃げ惑う住民がリアルに描かれているが、やはり3・11のアナロジーであろう。
このシーンは見ているだけでも何故が心ガ痛む。3・11で何かしらの被害を受けた家族を持つ人園には共通の思いだろうが、しかし、それとは逆に、「破壊」のクライシスには快感さえを覚える。口から出る熱線、背中の襞からでる熱戦、そして(「ゴジラ」の尻尾が異常に長いことを理解できる)尻尾の先からでる熱線。やり過ぎだと思うが、子供の頃から見てきたゴジラのゴジラたる所以である。
この作品の続編は期待しない、というか無理だろう(と思う)。そもそもはなしの終わり方に無理があった。いっそアメリカに核攻撃でもされてしまった方が(そして「ゴジラ」は生きていた方が)はなしの筋はまだ分かり易かったかもしれない。なぜならこのはなしはあくまでも3・11をべースにしたファンタジー(虚構)なのだからだ。