「天ぷら玉子そば」で一杯やって寝たこと
午前5時起床。浅草はくもり。翌朝早かったものだから、あたしは岩見沢には泊まらず高速バスに乗り札幌へと向かった。高速バスには始めて乗ったのだが、ちょっと眠っているうちに札幌駅に着いてしまった。ワープだな、と思った。もう、札幌駅なのか、と目を覚ますとバスを降りた。
バスを降りると同時に、地下街へと身を解き放った。あたしは東京の人間だが浅草の人間でもある。浅草にはこんなに大きな駅地下街はない。
いつも札幌に来ると思うのだが、浅草の人間をして、ここは大都会だな、と思う。それもギュッと縮めた中にある凝縮された都会だ。札幌には歴史がない分計画された街並みが揃う。そんな大都市の駅の地下街だ。縦に横に道が延びる。
ホテルへは地下街を通って行けばすぐだ。途中で「そばバー イング」があった。「あった」、というよりも「そばバー イング」をわざと通った。そこにはサラリーマン達がうだを巻いていた。「そばバー」とは云っていっても、「イング」は「立ち喰い蕎麦屋」である。その「立ち喰い蕎麦屋」を己の根城にしているサラリーマンがいる。
あたしはちょっと悪い癖を出して寄り道したのだ。「天ぷら玉子そば」と「生ビール」を頼む。蕎麦を手繰りながらビールを呑む。今宵、あたしの幸せはこれで終わりだな、と思う、と同時に、あー眠くなってきたのだわ。
そばバー イング
北海道札幌市中央区北5条西4丁目 アピア フードウォーク