建設業の経営環境に関するシンポジウム
午前5時30分起床。盛岡は晴れ。昨日は、岩手県建設業協会で「建設業の経営環境に関するシンポジウム」だった。お題は「担い手の確保と育成に関する現状と課題」という堅いものだったが、トップバターは、富士教育訓練センター 専務理事、菅井 文明氏。話しの方は「建設人材の確保・育成における取り組み」である。
富士山がやたらと綺麗な「富士教育訓練センター」。その立地を生かして人を集る。この教育センターの目的とは、建設現場で仕事ができる技術者・技能者をつくることだが、「業界のニーズ」「即戦力」「安全管理」を3本柱に取り組んでいる。でも、まだ堅いなぁ、と思う。
まあ、教育訓練センター であるから堅くて当たり前のなのだが、会場には「堅い」イメージが一人歩きしているようだった。
その時だ、PPTを動画が主体の物に替えたのだ。にわかに雰囲気が変わるのがわかる。あたしも講演をしていて(いまでは滅多にやらないのだが)思うことだが、動画の持つ力は、話し手を補って余り有る。この事に再び気がついただけでも、いい講演内容だった。
そして、漫画家「そのだつくし」さんの講演になった。彼女のお題は「建設業で学んだこと」――マンガ「我らイワケン株式会社」作者が語る――だ。あたしは漫画家の話しを聞くのははじめてだったが、彼女はPPTを使わずににフリーハンドで絵を描く、そして話す。
建設業と「そのだ」氏の仕事の共通点といえば締め切りを守る事だろう、と「そのだ」氏は云う。かと思えば、話しはマンガ「我らイワケン株式会社」に移る。しかし、その時間は短く、自分の話題となる。この人の話しはストーリ仕立てになっていないのだ。まるで渦巻くコップの中の様である。
だから話しを書き留めることを諦めろ、と云っているように思った。まるでレポートを書くことを拒否するようにだ。この人は人間が面白い、あたしなりに言わせて貰えば「型がない」のだ。破壊と創造、破壊と創造、また破壊と創造を繰り返す。
そして、最後は「パネルディスカッション」だ。――担い手の確保と育成に関する現状、課題の解決に向けて――というお題がつく。岩手県から島田 耕司建設業振興担当課長を迎えて行われた。
島田課長からは岩手県の取り組みとして、「岩手建設業未来フォーラム」、盛岡支部では「担い手育成DVDの作成」、県南ではカレンダーの作成、見学会等を行っいる。ただイメージが今一つ浸透していない感じがしている、との意見がでた。
これに対して向井田さんからは、15年振り開催した懇談会での意見が伝えられた。地元の人達が来ていない。給与条件は県外の方がいい等、兎に角、生徒だけではなく親御さんにも広報をしては行かなくてはならないとの意見があった。
小山千厩支部長からは、何年間も募集してこななったせいで、地元建設業のPRをして行かなくてはならない。今の若い人達(挨拶などはできないが、彼らが得意なICTにあった建設業になっていってもらいたいとの意見があった。これに対して島田課長は、ICTによる2極化、週休2日の問題、女性も働ける普通な労働環境を造らなければならないだろう、と云う。
向井田さんは、ICT、生産製の向上はいいことではあるが我々が労働力の調整弁であったことを忘れてはならない。ICTはどの辺を目指すのかえを考えて行かなくてはならない。
ICTは借りるとかなり高いんですよ、と小山支部長はいう。皆で意見を出し合って少しでもよいICTにならなくてはならない。施工に適した工事をどんどん広げていくと島田課長がICTを締めた。
週休2日制は可能か。担い手確保に向かって、公共工事において試行をはじめている(島田課長)。会員の皆さんに聞いても週休2日制はやりたい。ただ、現実的にはまだ行えていない。現場を考慮しながらやって行きたい、と向井田さん。
女性の技術者について「そのだ」氏はあまいと云う。そのだ氏は自由業故休みがない。いや休みはあるがやすんだら仕事ができなくなるだけである。それと女性が働きたいのならおしゃれなユニホームがあってもよい。女性だけの建設会社があってもよい、と思い切った意見がでた。後は建設業の将来像について各者が話して終わりとなった。