500円のカツカレー500円のカツカレー


500円のカツカレー

午前4時10分起床。浅草はくもり。上野だった。暑い日で1時間おきに喫茶店に入って涼んでいるような塩梅の日だった。ランチを食べようと、ずっと憧れていた店に行くことにした。名前は「カレー専門店 クラウンエース 上野店」。この店、入りたいな、と思いながら、20年間ただ前を通り過ぎていた。

決して格好いいとは云えない外装も、JR.ガード下の店だと考えると又破格に写る。レトロなつくりのサンプルケースを見て、その値段の安さに驚く。「カツカレー」は500円の値付けだ。お世辞にも「おいしそう」とは思えないカレーの色だけれども、すっかり「カツカレー」を食べる準備が整ってしまう。

店に入る。店は大入りだ。中央を囲むようにテーブルがある。それが一杯の人で埋まっている。みんな嬉々としてカレーを食べている。立って待っている人までいる。あたしらは食券機で「カツカレー」と「ポークカレー」の食券を買う。ポークは家人が食べるのだが、これの値段は400円しかしない。

つまり、カツは1枚100円という篦棒さだ

と店の人が席が空いたとろにあたしらを導く。食券を渡すとそれこそ1分程度で「カツカレー」のおでましとなる。なるほどはやい。カレー専門店で、それもスタンド形式の店は、やっぱり「はやい」のが命と見た。次々にお客さんがやってくる。そして次々とお客さんが食べて帰る。この忙しさは、あたしの周りではちょとない。

「カツカレー」は正に中庸な味だ。辛くもなく甘くもなく、成る程誰でも食べられる辛さと味なのだ。ここは「あたり」だが、あたしの場合、問題はご飯なのである。今回は余りのはやさにご飯を小にするのを忘れてしまった。なにを思ったのが家人が黙々とあたしの残りを食べてくれたが、今度はご飯は少なめでと忘れずに頼もう。

店内

カレー専門店 クラウンエース 上野店
東京都台東区上野6-12-11