浜っ子亭浜っ子亭


浜っ子亭

岩見沢は雪だった。でもその雪量は少なく、気温も0℃程度であったが、あたしには充分寒い夜だった。いや夜だけではなくずっと寒いのだ。その証拠に、北海道から帰ったあたしには浅草は暑くてしょうがなかった。物凄く寒い一日だと家人が云っていたのにだ。そんな気温に慣れていないあたしが「浜っ子亭」という処に連れていってもらった。

「浜っ子亭」は初めての処だった。馬渕さんに連れていってもらったのだが、頭(記憶)にはないもの、というものは幾つになっても楽しいものだ。そして無いものを存在させるために、記憶を巻き戻しているあたしがいる。あーこの感じは昔通った(今もあるが、昔の建物の)「岩手屋」だなと思った。店のシステム自体は全く違うのだが、店の在り方が似ていると感じたのだ。

店は全体的に暗い。それだけでも今風の居酒屋でないことが分かる。更には若い者は誰もいない。見事に年寄りばかりである。カウンターと小上がりとテーブル席はいつのまにかに一杯になっていた。酒肴は「岩手屋(旧)」に比べれば雲泥の差でうまい肴が並ぶが、あたしらは最初にビ―ルを貰い、それからは芋焼酎をお湯割りにして少しずつ呑んだ。

こうしているうちに「岩手屋」とは全然違うなと思う(当たり前だ)。だが、そんなことはどうでも良くなってしまっている。注文は1回云っただけでは伝わっては無いと思うぐらいに遅いし、注文したら直ぐにでるコンビニの様な酒場であるはずもない。でもそれでいいのである。「刺身」も「ホッケ」も物凄くうまく感じた。こうしている内にお客さんは皆帰った。そして、あたし達も帰路についたのだ。

ビール カキ酢 豚串

ホッケ 刺身

浜っ子亭内部

おかみさん

浜っ子亭
北海道岩見沢市4条西2丁目