冷麺冷麺


水冷麺

午前3時40分起床。浅草は晴れ。この日の夕餉は「なると」の「冷麺」をメインに「豚足」と「茹で豚」という豚づくしのおかずで夕餉にしたのだ。勿論テイクアウトでである。店もやっているようなので、店に行けばよいのだが、なぜかまだ店には行けない小心者のあたしなのだった。

「なると」の「冷麺」は「水冷麺」と呼ばれるものだろう。それはあたしが愛してやまない「盛岡冷麺」とは親を同じくするが、見た目は全く違うものだ。麺には蕎麦粉と緑豆粉が用いられ、黒っぽく嚙み切りやすくできている。あの「盛岡冷麺」のゴムのような食感とは違う。同じ冷麺なのに、まるで別のものを食べているような気分になる。

その上スープがまるきっし違うのだ。スープは透明である。これは「ユッス」と呼ばれる透明で淡泊な冷たいスープで、そして「冷麺文法」に忠実に、ゆでたまごと細く切ったキュウリがのっている。そして果物と大根の漬物だ。この大根の漬物が優秀で、スープと混ぜて食べると桃の味がするのだ。

豚足と茹で豚

そしてそのスープはどこまでも淡い味なのである。「盛岡冷麺」が剛のものなら、この「水冷麺」は軟のものだろう。あたしは「盛岡冷麺」を思い出しながら、この淡い味を楽しんだ。そしてこの日は「豚足」と「茹で豚」があった。あたしは「豚足」と「茹で豚」を見て笑う。

まるっきしかぶったな、と(笑)。

しかし「豚足」は、豚食いで鳴らしたあたしの中でも、三本の指に入る好物だ。これは包丁で削ぎ切りにしてある。その残骸のような切り身を酢味噌につけて食べると、あーこれだよ、となぜか懐かしくさえ感じてしまう。いやー「なると」は、食べる度に懐かしく感じてしまう。やっぱりいいな、と思うのだ。[浅草グルメ]

豚足

茹で豚

なると
東京都台東区浅草四丁目39-2