太刀魚のちくわ天そば太刀魚のちくわ天そば


太刀魚のちくわ天そば

午前4時30分起床。浅草は雨。「ゆで太郎本所吾妻橋店」でのランチである。まずは食券の自動販売機を見る。おーまだあるんだ、と思った。「太刀魚のちくわ天そば」がである。この蕎麦、10月には消えるな、と思っていた蕎麦なのである。なぜに、と思うが、まあ、いい。早速「太刀魚のちくわ天そば」を注文した。

暫くしてから番号でお呼びがかかる。そして、カウンターから「太刀魚のちくわ天そば」を貰う、蕎麦をしげしげと見回し、この蕎麦はやっぱり変だ、と思う。「ゆで太郎」では、「蕎麦」と「具材」は別々に提供されることが多いのだ。けれどもこの蕎麦は最初から「太刀魚のちくわ天」が蕎麦の上に乗ってくる。

ちくわは別皿でない方がいい

それは、「太刀魚のちくわ天」の長い躯体を納める別皿がねぇーんだよ、と諦めているかのようにだ。あたしはこの一体型=「商品」の方が好きだ。何よりも蕎麦と具材の触れている時間が違うのである。その触れている時間が、別の味や食感を作ってくれる。その味や食感が楽しいのだ。

別皿で出されることに、たいしてありがたみを感じることもないが、ぶっかけスタイルの蕎麦の上にドーンと乗せてある「太刀魚のちくわ」を見て、「これはなによりなのだ」、と独りごちる。この「ちくわ」をかじると、蕎麦と触れている部分の味と食感が違う。それがうまい。

つまり、これは「天ぷらそば」なのだ。「天ぷら」は蕎麦(汁)と出会うことに寄って己の姿を変えていくのだ。焼いてある「ちくわ」をわざわざ「天ぷら」にしている。つまり衣がしだいに溶けてゆく。それが一層蕎麦の味を引き立てる。「天ぷら」は天才なのだ。その天才を食うのは、やっぱりこの一体型=「商品」なのである。[お蕎麦deランチ]

太刀魚のちくわ天そば

ゆで太郎本所吾妻橋店
東京都墨田区吾妻橋3丁目7-4