熱湯を注ぐことおのカタルシス熱湯を注ぐことのカタルシス


正嗣の餃子

午前3時10分起床。浅草は雨。先に宇都宮に行った際に「正嗣」に寄って餃子を自宅に送っておいたことは書いたが、問題はその送った餃子を何時食べよう、ということだった。冷凍庫は既にパンパンで、これから来る要冷蔵の食品を考えると早く食べなくてはと焦る。しかし腹は毎日一杯なのだ。

だが、その日は突然にやっきた(笑)。「今日は餃子パーティーよ!」と家人が云う。おうそうか、とホットプレートが準備された。やる気があることは伝わってくる。それで「正嗣」の餃子から焼いてみることにする。「正嗣」の餃子から、と云うのは「香蘭」と「悟空」の餃子も送ってあるからだ。

  1. フライパンを熱して油を大さじ5~6杯たっぷり引きます。(ごま油を少量混ぜると美味)
  2. 餃子を凍ったままフライパンに並べます。
  3. すぐに熱湯をまんべんなく餃子の上からかけます。(やけどに注意)
  4. 餃子の1/2が、かくれるぐらいに熱湯をかけたらフライパンにフタをして強火のまま待ちます。
  5. 水がなくなって焦げ目がついたら出来上がりです。 
    (マニュアルより)

熱湯をまんべんなく餃子の上からかけることのカタルシス

そして鉄板の上に並べて「正嗣」の餃子を焼いてみた。いやいや圧巻の出来上がりである。なんと云ってもこの餃子の醍醐味は「熱湯をまんべんなく餃子の上からかける」ことなのだ(笑)。 それはある種のカタルシスである。(たぶん)店で焼かれたものよりも味は落ちるのかもしなれいが、それでもこの餃子はこのお湯を注す瞬間がすばらしい。

もちろん、食べるのは熱々を食べるが、これもたまらんのだ。あたしは付いてきた「正嗣」の「特製タレ」を使ってみたが、あーこの色だよ、と思った。昔、宇都宮で轟さんが作った(たぶん「みんみん」でだ)餃子のタレの色に似ている。勿論ラー油の色が色濃く、あたしは辛過ぎてダメだったが(笑)。

餡の具材は(相変わらず)なにがなんだかよくわからない。だけどそれでもうまい。スパイシーな味はどう食べようがそのままだ。あたしは2人前程度を食べたが、それだけでもう腹が一杯になった。つまり「香蘭」と「悟空」の餃子は次の機会に繰り延べになったのだった。

それは小さな妖精の集合ような餡であって、その集合は「われわれ」なのであり、ミームである――まさしく正嗣の餃子が正嗣の餃子であるためのもの――。その複雑さを白い胞衣の様な皮が包むことで、「餃子」と名指しされるものとなる。皮は薄めで切れがよかった。(from 宇都宮の正嗣の餃子と石垣島ラー油。)

正嗣の餃子

正嗣の餃子(焼き上がり)

餃子専門店 正嗣 宮島町本店
栃木県宇都宮市馬場通り4丁目3-1
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