すきやき
午前4時30分起床。浅草は晴れ。
これは「砂子さん」からの贈与の「白老牛」だ。今晩はこれを「すきやき」にしようと云うのだ。
本来は「しゃぶしゃぶ」用の牛肉だが、この肉は厚い。十分「すきやき」でも食えると睨んだのである。
この日は例によってあたしが鍋奉行をやる。
しかし、その鍋奉行も最初の一鍋目だけで、後は家人に任すのだ。
まずは、鍋を温め肉を焼くのだが、たしはこの鍋で何か食いたかったのか、と云えばネギなのである。
すなわち牛脂を溶かしたらネギを入れて暫く焼くのだ。
その焼けるネギの香りが食欲を奮いたたせる。ネギこそ「すきやき」のもう一つの主役である。
そしてネギが焼けたころに「白老牛」を3枚準備する。肩ロースでうまいのはわかりきっているのだよ(笑)。
その肉を焼き、食べ頃になったらわりしたを入れてやる。わりしたで煮込むようなことはしない。
直ぐに一煮立ちする。そしたら肉を玉子をといだ器に入れるのだ。
そして食べればこれはうまいのだよ(笑)。
この瞬間の為に「すきやき」はある、とあたしは思うのだし、この肉を食べたいが為に、あたしが鍋奉行をやるのだ。
そして二鍋目からは家人の任せるのだが、ここからはザク(野菜類)の出番になる。
しかしこの二鍋目がうまかったのだよ。
三鍋目も、あげくに肉がなくなってザクだけになってからもうまかったのだ(笑)。
それが何故かはなんとなく分かっているが(そう無限小の存在なのだと思っている)、
いや、こんなにうまい「すきやき」は初めてかもしれないな(笑)。