かにおじや
午前5時10分起床。浅草は雨。今日は盛岡へと行くのだが雨が邪魔な日なのである。
さて、今回の山鹿行きで、唯一我が儘を云わせて頂いたのが、この「かにおじや」である。これに出会えたのは、2005年5月だから今から9年5ヶ月前、今は亡き「味よし」で食べたのだ。
造ったはきれのいい気合の入った親方だったが、あたしが訪れた直後に亡くなってしまったのだ。
しかしその「かにおじや」が復活していたのである。それが「彩座」である。「彩座」は「味よし」の息子さんがやっておられる、と聴いた。
なんと店の中には「味よし」の暖簾が掛けてあり、いいぞ「山鹿名物」なのだが、あの味が甦るのか、と思うとワクワクしてくる。
今回はあたしから川蟹が食いたい、とリクエストしていたのだから尚更である。
そしてでてきた「かにおじや」。早速食べてくれ、とばかりに赤い甲羅を浮かばせている。あたしはすっかりその気で「おじや」を食べる気でいたのだが、山鹿の皆さんの方があたしの糖質制限食を知っておられ、ご飯をよけでよそってくれたのだ。
しかし「かにおじや」とは云うが、これは川蟹である。ようするに上海蟹に似たモクズガニなのだ(と勝手に思っている)。この川蟹の食べ方を隣の方に教わって、そして黙々と食べ始める。
蟹を食べる時には寡黙なのである。小さな身を大切に食べる。チューチューと吸う。うまい!うまい!うまいのだ!、と騒いではいけない。しかし寡黙な時間はあっという間に終わり、山鹿の夜は更に更けていくのだ。
彩座
熊本県山鹿市山鹿1699