筋子でごはん筋子でごはん


紅鮭、筋子、たらこ

午前5時50分起床。浅草は晴れ。あー、うまいなー、と腹の底から声がでた。松浦さんから「紅鮭、筋子、たらこの詰め合わせ」をいただいたのだが、全部食ってみたい、それも真っ白いご飯で、と思った。そうなれば早速ご飯を炊く。「たらこ」と「筋子」を包丁できる。それぞれを器に入れて待つのだ。そして「紅鮭」を焼く。やがてご飯が炊けると、小さなあたしのお茶碗に、でも大地の恵みに感謝をして、ご飯を半分だけ装う。

まずは「筋子」である。「筋子」をご飯の上に置く。濃い紅さの鮭の卵が熱い米の上で食べ頃になってくる。このうまさは誰がなんと云っても忘れられるものではない。あたしの記憶の真ん中にドスンと居座っているのだ。つまり文句なしに「うまい」。二口で筋子を食ってしまうと、次は「たらこ」だ。「たらこ」のうまさも筋子に勝るとも劣らない。細かい鱈の卵の粒が口の中ではじけるのだ。しかも塩漬けであり、これもあたしが愛して止まない永遠である。

最後は「紅鮭」を食う。残りのご飯はこの為にあった。ご飯さえも腹一杯に食えない己を恨むが、紅鮭はもちろんそのまま食べる。箸で身を解すと綺麗な身になってほぐれてくる。丁度よい良い塩加減だ。皮を剥がしてそれも食べる。これがまた抜群に「うまい」のだ。あーなんて「うまい」ものが三つもあるのだろう、と思う。あたしは鮭と魚卵にまみれて一夜を過ごした。どんな飯を食っていようが(あたしのとっての)一番うまいものなのだ。今となってはまさに狂喜乱舞の世界なである。

紅鮭

たらこ

筋子

紅鮭、筋子、たらこ