ハイボール無双 的場屋
午前5時起床。浅草は晴れ。この日は(たぶん)最後の花見だった。あたしらは普段では絶対に見つからないような店の前にいた。「ハイボール無双 的場屋」である。標題に「さくら{馬肉)をくう」と記したが、正直に云えば、最初は「餃子」が目当てで店に入ったのだ。
それぐらいうまそうに「餃子」が並んでいた。しかし、「餃子」は頼んだが、店内には更にあたしの目を惹くものがあった。
それが「さくら(馬肉)」だった。
「馬肉」が「さくら」と呼ばれるようになったのは、「馬肉」には鉄分が多く含まれているため、空気に触れると赤くなり、霜降りの部分と交わって鮮やかな桜色なるか、らと云われてるが、正にその「霜降りの馬刺し」があった。それも熊本(山鹿)の「馬刺し」を模した(シュミラーク)ものだった。
しかし、シュミラークルでいいのである。ここは山鹿ではない、上野だ。更には「レバ刺し」もあった。勿論「馬のレバ刺し」である。その「レバ刺し」が最初に出てきた。その姿を見て、そして食べて、あたしは何故が饒舌になった。そう熊本の地を思い出していたのだ。
いつもお世話になっている「火の国ゆるり庵」の「馬刺し」とよく似た「馬刺し」だ。玉ねぎが敷いてあるところなど、山鹿で食べているような気持ちになれる。夫々の部位など分かる訳もないが、味はちゃんと「馬刺し」の味がする。ちょっとだけ我が儘を云えば、「にんにく」はスライスにしてもらいたかった(笑)。
さらには「ごまさば」と「ごぼ揚げ」を頼んだ。
「餃子」はもうどうでもよくなっている、というより「餃子」が余計なものに思えた。「串揚げ」もまた余計なものになった。ここはこうやって、九州(を思い出させる)食べ物だけを食べて幸せを感じるだけで十分にうまい。まあ、餃子もそれなりはうまかったけれども(笑)。
ハイボール無双 的場屋
東京都台東区上野4丁目4-12