3色そば3色そば


芝大門 更科布屋 本店

午前4時起床。浅草は晴れ。この日は芝にいた。少し遅くなったがランチにしようと、都営地下鉄浅草線のA6出口、その目の前の「芝大門 更科布屋 本店」入った。「芝大門 更科布屋 本店」は名前だけは知っていた店で、昼のピーク時は過ぎたが、それでも並んでいるのか、と思えばそうではなかった。

ただ、店は客で一杯で、みんな目当てが違うのか、それこそいろんなものを頼んでいた。

いろんなものがある、これが「芝大門 更科布屋 本店」の第一印象だ。

あたしはまずは「3色そば」をお願いしてみる。この「まずは」というのは、たぶん量的には足らないのじゃないか、と思いがあったからで、次に頼む蕎麦を考えていたからだ。その蕎麦を何にするかを考え付く前に「3色そば」の登場だ。笊の上に三つの蕎麦が綺麗に並んでいた。

三つをそれぞれ順番に食べてみる。5月の変わり蕎麦は「山椒切り」で、流石に目を覚ますようない味と香りだ。「ほーこれは中々よいな」、と独りごちる。他の2色も申し分ない。だが、3色の蕎麦は夫々の量がやっぱり少ないのだ。案の定、次を胃袋が要求している。

それでメニューをもう一回見てみた。「花巻」があった。よし、これにしようと思った。「花巻そば」とおばさんにお願いする。「花巻」も直ぐにでてきた(立ち喰い蕎麦屋よりは遅いけれど)。大きな海苔を破ったもが載っている。(たぶん)海苔をもんである。海苔の風味が素晴らしい。なるほどこれはうまいなと思う。

この店、寛政三年(1791年)の創業とは思えない、人を寄せ付ける敷居の低さを持っている。「結界」のある店は知っているけれど、この敷居の低さはなんなんだ、と思う。はじめてであう不思議な店であったが、少しばかり食べすぎたようだ。

花巻

芝大門 更科布屋 本店
東京都港区芝大門1丁目-15-8