アサヒスーパードライアサヒスーパードライ


やっぱりまずいアサヒスーパードライがいいな

午前5時40分起床。浅草はくもり。上野での夕餉は、湯島の「赤提灯」に入った。この店は元々偶然見つけたところだったが、この日で三度目の訪問となった。三度目か、と明るい店内を見渡した。何時もの大女将も元気なようで何よりなのである。

「赤提灯」は、最近のあたしの行動範囲では、「餃子の王さま」次ぐ回数になっているな、と笑ってしまう。それにつけても、呑まなくなったものだ、と思う。それは、午後9時には寝てしまおう、とするあたしには、誠に正しい生活態度なのである。

この日もここで、簡単な料理を食べて、家に帰ってたら後は寝るだけにしようとしていた。そして、いつものように「アサヒスーパードライ」をもらった。

あたしはビールが大好きだ。しかし、以前の様な呑兵衛ぶりは影を潜めている。脳梗塞が恐いのだ。1本だけを頼む。だだし、ビールなら何でもよいわけではない。このどう考えてもまずい「アサヒスーパードライ」が一番好きだ。それは、30年も前に発売された頃に出会った驚きの味だ。

コンビニで初めてこのビールを見た。その頃はビールなんてなんでも良い人だったのだが、初めてこのビールを買い、家で呑んでみた。ビールじゃ無いビールだよ、と思った、まさにそう思ったのだ。「こんなのビールとして売ってもいいんだ。反則だよな」、は正直なあたしの感想だった。

そして、その時から、ビールと云えば「スーパードライ」になったのだ。

このビールは麦芽の使用率が低い(70%程だと思う)。だから「発泡酒」の味に似ている。だだし、それでもギリギリでビールなのだ。そのギリギリ感がうまいのであり、「発泡酒」とは一線を画す味だ。「ドライビール」なんて変な名前で呼ばれるが、こうして生き残っている唯一の「ドライビール」なのである。

「発泡酒」とビールの間に生まれた、あたし曰く、「ビールじゃないビール」。

そう、これは変わっているのだ。その変わり種がこうして生き延びる日本という国の好い加減さは本物だ、と思うのだけれど、答えが、一つしかないと思い込んでいる人達には許せないものなのなのだろうな、と「赤提灯」で杯を重ねたのだわ。一本だけだけどもね。

もつ煮込み

牛蒡唐揚げ

串焼き

赤提灯
東京都台東区上野2-10-4 池之端会館1F