ベーコンエッグハンバーグ 粒マスタードソース?ベーコンエッグハンバーグ 粒マスタードソース?


年をとったな、と思う

午前5時45分起床。浅草はくもり。あたしは普段ちゃんと料理の名前を書かなくては、と思いメニューの写真を撮っている。と云うのも、この人、すっかり年老いてきて(笑)、料理の名前を覚えていられないのだ。漢字の使い方、言葉の前後なんていうの忘れてしまう。

だから写真を撮る。ただ、写真を撮るのはいいのだけれど、そのお陰で「覚える」、そして自分の頭で「考える」ということが無くなってしまった。どうせアルバムを見れば料理の名前は思い出せるのである。いや、これはまずいな、と思いながらも写真を撮っている。

墨田区役所 食堂」でランチの日、この日は「ハンバーグ」があった。「粒マスタードソース」が全面に塗られた野心作だ。よし、これを食おう、と食券を買ったのだ。見ると、なかなな立派な「ハンバーグ」だった。ただ見事なと云ってもハンバーグは出来合いで、この「マスタードソース」は一応手造りぽかった。

ベーコンエッグハンバーグ 粒マスタードソース?

「ハンバーグ」は出来合いだからおいておいて、付け合わせのベーコン、ポテトとブロッコリーの味はまあまあか、とランチを終えたのだが、この「ハンバーグ」は「粒マスタードソース」と名前がついていたことは覚えていたので、てっきり「ハンバーグ 粒マスタードソース」がこの料理の名前だと思っていたのだ。

ところがだ、メニューの写真を見て驚いたのだ。なんと「ベーコンエッグハンバーグ  粒マスタードソース」というのが「名前」なのである。ちゃんと名札がついている。しかし、ちょっと待てよなのである(笑)。どこが「ベーコンエッグハンバーグ」なのだ、と思う。

ルネ・マグリット 『夢の解釈 Key to Dreams 』(1930年)

この「名指し」の問題は、嘗て「ルネ・マグリット 『夢の解釈 Key to Dreams 』(1930年)」で書いたことがあるが、「ルネ・マグリット 」がやってみせたのは、時計は風であり、馬はドア、水差しは鳥(でも鞄は鞄)というものだった。それはあたしたちには当たり前でしかない言語システムの安定を崩壊させている。

あたしらは、何時の間にか写真を最上の情報として言語で考えることを放棄している。しかし、こうして言語で考えるしかないのがあたしたちなのだ。そのことをランチを食べるという日常で想い出させてくれた「ベーコンエッグハンバーグ  粒マスタードソース」なのである。[浅草グルメ] [お蕎麦deランチ]

ベーコンエッグハンバーグ 粒マスタードソース?

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ルネ・マグリット 『夢の解釈 Key to Dreams 』(1930年)

墨田区役所 食堂
東京都墨田区吾妻橋1丁目23-20 墨田区役所1F