豚蕎麦(中)豚蕎麦(中)


豚蕎麦(中)

午前5時30分起床。浅草は晴れ。この日の昼餉ランチは「BUSAIKU(ブサイク)」だった。今日は絶対に「豚蕎麦」を食べよう、と決めて出掛けたのである。「豚蕎麦」はメニューの一番右側に書いてある定番中の定番なのであるが、「豚蕎麦」が「BUSAIKU(ブサイク)」を代表するメニューと云っても良いだろう。いやむしろ「BUSAIKU(ブサイク)」の味とは「豚蕎麦」がベースで出来上がっている、と云えるのではないか。そしてそれがあたしを魅了してやまない、なにか秘密のようなものがあるのではないのか、と思っていた。

しかし、この「豚蕎麦」は先日食べた「ぼっかけ蕎麦」となにも変わらないように思える。まるでラーメンの様な姿形はそのままだし、黄色い天かすも、白いねぎも、緑色の三ツ葉も、赤い糸唐辛子と薄い黒紫色の海苔も一緒である。しかし汁の色がやや赤味を帯び、バラ肉の煮たものが表面を飾っているのだ。なによりも背脂が汁の上に浮かんでいる。汁(スープ)を呑めば、うん、これはイケている。甘さは抑えられ醤油の味が栄えるが、どう考えても蕎麦の汁とは思えないのだ。背脂がまるでこってりとラーメンスープのような感触なのである。

蕎麦を手繰れば、太い蕎麦故に「手繰る」という言葉は似合わない。これは掻っ込むのだ。この蕎麦も二度目ともなれば、ぼそぼそとした味もまたこれはこれでうまい。「これはこれでうまい」、と云うのは、まさに「ブサイク」の「豚蕎麦」を云い表すにはピッタリの言葉ではないのか。各地で「豚蕎麦」は散々食べてきたが(形は様々だが)、これはこれでちゃんと「ブサイク」の形と味になっている。それも他にないような形と味であり、あたしを魅了してくれるのだ。[浅草でランチ

豚蕎麦

ブサイク(BUSAIKU)
東京都墨田区吾妻橋1-6-5