おおもりおおもり


おおもりを食っちまっただよ

午前6時30分起床。浅草はくもり。盛岡での夜、2軒目であるが、この日は1軒目の「遠野屋」で、「ジンギスカン」をどうしようもなく尋常でない速さで食べたせいか、2軒目の胃袋の隙は無かった。はっきり云って赤信号。それでも「手打ちそば かしわや」だけは行かなくては、と「かしわや」の暖簾をくぐる。

「かしわや」は盛岡でも珍しい夜も営業している蕎麦屋である。あたしはその蕎麦屋にはまってしまっているのだが、盛岡に泊まると、十中八九は「かしわや」をその日の〆とし使っているのだ。

この日は「おおもり」をお願いしてみた。頭の中では『絶対に食えないぞ、「もりそば」にしろよ!』と声がしていたが、えい、かまうものか、と「おおもり」でいったのだ。出てきた「おおもり」を見て、あーとためいきをもらす。予想よりも遙かに多いではないか。これをこれから食うのか、と。

やってしまったな、と思うが、そこは蕎麦食いのあたしだ、やってやろうじゃないか、と勇んで蕎麦を滾り始めた。何時もより太いじゃないか、と思える蕎麦を箸でつまんで持ち上げる。そして食う。しかし、この蕎麦が何時までたっても減らないのである。

頼みの蕎麦湯も、なぜかこの日は出てこない。あたしの気持ちは既に半分寝ている。「起きろ、この野郎!」と発破を掛ける。ようやく全部食べた時には、腹一杯なんてものじゃなかった。もう、なにも入らない。翌朝、朝食前に血糖値を測ると、今年で一番高い値だったのだ。

かしわやの内部より玄関を望む

手打ちそばかしわや
岩手県盛岡市大通1丁目9-21