クラスタークラスター


広くて薄い紐帯

午前6時30分起床。浅草は晴れ。「クラスター」とは、例えば、あたしのビズネスを説明する際に用いていた概念だ。つまり、あたしは「広くて薄い紐帯」をめざして活動に励んでいた。それはある意味成功したと云えるが、この「広くて薄い紐帯」を作るに際し、参考としてきたのが「クラスター」の概念だ。

つまり、講演などを通じてあたしの支持者(ハブ)が一人増えると、その人は別の「クラスター」のメンバーであることが多いので、また別の「クラスター」にも新しいハブとなる人が生まれる可能性を持っている(あたしの講演会などに連れてきてくれる)、という考え方だ。

その「クラスター」とは「広くて薄い紐帯」と呼ばれるように、家族や同僚よりも薄くて広い。そして、さらに広い範囲に拡大するのも容易なのだ。なぜならあたしの云う「クラスター(広くて薄い紐帯)」は「ミーム」によって運ばれるものだからだ。

北海道庁は北見市内で開かれた展示会に参加した人たちの間で、「クラスター」と呼ばれる新型コロナウイルスに感染した人の集団が発生している可能性があるという認識を示しました。この展示会にはこれまでに確認された感染者6人が参加していたということです。
北海道は27日、オホーツク海側の地方に住む男性3人が新型コロナウイルスに感染し、このうち重症となっている70代の男性は北見市で開かれていた住宅設備関連の展示会に参加していたと発表しました。
そのうえで道の担当者は記者会見で、「北見市の展示会自体がウイルスにさらされる機会となった可能性がある。家庭や同僚といったつながりよりも、やや広い意味でのクラスターが形成されている可能性があるかという認識を持っている」と述べ、北見市で感染した人の集団が発生している可能性があるという認識を示しました。 from 「北海道 北見の展示会で「クラスター」発生か 感染者6人参加」 NHK NEWS WEB

2020年2月28日現在の北海道での新型コロナウイルス感染

新型コロナウイルスは全方位検索する

その「クラスター」が、北海道北見市の展示会で「新型コロナウイルス」の感染において、実際に機能したという見方ができるという。今までは良い意味で使っていた「クラスター」という言葉が、一転して悪い意味で使われてしまった。クラスター間どうしの感染が起きているとすればそれは大きな問題だろう。

「新型コロナウイルス」は全方位に感染する。どんな隙間でも探して自己複製してしまうのは自己複製子の性だろうが、こうなれば、「新型コロナウイルス」の繁殖を、ネットワーク網にのせないことが大切だろう。であるなら学校閉鎖やコンサートのようなイベントの中止は当たり前の戦略だと云えるし、不要不急の外出は避けたいものになる。

しかし、問題は「クラスター(地域社会)」間を結んでいる、より大きなネットワーク網(鉄道や空路国内線)の切断(中断)がはたしてできるのだろうか、ということだ。国内でいえば「クラスター」間を結んでいるネットワーク網(鉄道や空路国内線)だ。

勿論、全方位検索の「新型コロナウイルス」が、そのネットワーク網の要(ハブ)を見逃すはずもなく(見逃したら面白いのに)、インターネットを介した「ミーム」のように、「新型コロナウイルス」のスケールフリー的繁殖は始まってしまうのだろう。つまり、経済効率性の高い大都市ほど感染は爆発的に広まりやすい。

だから、思い切って2週間ほどすべての経済活動を止めてしまう戦略はありだ。それは経済活動の成果を全く無視する戦力だと云える(「経済原則」は機能しない)。しかし、だからといって、鉄道や国内線をはじめとするネットワーク網を止めてしまうというのも、篦棒な戦略に思えてしまうあたしは、まだまだ甘いのかもしれない。

……流行を食い止めるためには、交通の規制と集会の自粛が有効のようだ。日本経済新聞08年7月4日の記事によれば、三菱総合研究所と千葉大学、国立感染症研究所などのシミュレーション調査で、新型の発生時に「学校閉鎖」「鉄道運休」「流行前のワクチン接種」をすべて実施した場合、感染者数は何もしなかった場合の約3分の1になるなど、被害が大幅に軽減できる可能性があることがわかったのだという。from 「新型インフルエンザは全方位検索する。」 モモログ