おおもり おおもり


蕎麦庭 甲州屋

午前4時10分起床。浅草は晴れ。この日はなんともな日だった。昼飯を食おうとしていたのだが、行った蕎麦屋は休みときていた。でも未だ諦めの悪いあたしは、「ひさご通り」を出口(とは云うが反対側からは入り口である)まで歩いた。そう「蕎麦庭 甲州屋」へ行こうとしていたのだ。

アーケードが掛かった「ひさご通り」だが、人出は今一だった。減っていた、と云ってもよいだろう。「甲州屋」の瀟洒な建物を見つけると、久しぶりにのれんをくぐる。「甲州屋」は鉄筋コンクリート打放し(たぶん)という、まあ、蕎麦屋では有り得ない様相なのだ。

遅いランチだったので、先客は一人だけだった。あたしよりもちょっと年を取った爺さんが蕎麦を手繰っている。ここは若い人は滅多に見ないのだが、たぶん店としては若い人達に来て欲しいのだろう。今日は、若旦那が蕎麦を茹でているな、と4人掛けのテーブルに1人で贅沢に座る。

おおもり

席につくと、頼むのは何時もと一緒の「おおもり」なのだ。あたし自身は全く芸がない。なにしろ蕎麦しか食えない男なのだ。でも蕎麦は芸の塊である。「甲州屋」の「おおもり」は、その量が芸なのである。なにしろ多いのだよ。あたしが手繰った中で、一番は「味奈登庵 横浜天理ビル店」の「おおもり」である。

ずばり「甲州屋」の「おおもり」も、その「味奈登庵」に負けじとそびえ立っている。これを、よし、とばかりに手繰り始めると、いや、なぜか食えるのだわ。それは食べている途中に、自分でも首をかしげるほどの不思議さだった。なんなのだ俺の腹は、と思うが、いや、普通にうまかったのだよ。[浅草でランチ][お蕎麦deランチ]

おおもり

甲州屋
東京都台東区浅草二丁目15-2