ピエール・ブルデューのことば
私がその結末を目にすることは絶対にないでしょうが、そんなに大きな危険もなく告知することができると思います。あらゆる集団的構造――家族、アソシエーション、国家――のこうした破壊のプロセスを長引かせておくなら、いまだかつてまったく見たこともない知覚不可能な結果――都市部における暴力等、その徴候はすでにあります――が出現するのを目の当たりにすることになるでしょう。
一方の手で節約(経済化)したものの代価は、他方の手で支払うことになるのです。実施されつつある破壊プロセスの影響はかなり経ってからでなと分かりません。時間をかけなくてはならないでしょう。
医療システムが崩壊するよりも前に、なおも沢山の献身的に尽くす看護師たちがいますし、言ってみれば、システムの意に反してシステムを救う沢山の人々がいるからです。学校システムも同様です。フランスの学校システムは内部崩壊の途上にあります。となれば誰が黙っていられるでしょうか、こんな……非常事態の時に。(ピエール・ブルデュー:『政治』:p68)
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ピエール・ブルデュー(著) |